課題
ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)の営業組織にとって、顧客提案にあたって営業担当者だけでなく社内の多様なチームとの情報連携が重要となります。しかし、顧客との会話の記録やインサイトといった貴重な情報は議事録やメモなど多様な形式や場所に記録され一元的に集約されてはいませんでした。営業活動を通じて得られる情報は膨大なためCRM集約、共有しきれず、また、ツールの入力プロセスにおいてはデータの粒度が損なわれることもあり、結果として、あらゆる情報をパイプラインレビューや売上予測、さらにはAIへの学習データとして、十分に活用できてはいませんでした。社内調査によると、営業担当者が顧客と接する時間はわずか20%程度で、社内でのコミュニケーションや調整に多くの時間が費やされていました。
ビジョン
ブレイクスルーは、営業リーダーシップチームがAIを核として組織的な営業手法を再構築したときに訪れました。この新しいモデルでは、すべての会話が構造化され、アクセス可能なデータとなり、AIエージェントが適切なインサイトを瞬時に提供します。
実行
ソフトバンクは、The Universal AI Platform™であるDataikuを活用し、営業サイクル全体でインサイトの取得、分析、およびコミュニケーションを自動化するAIエージェント群を構築しました。
インサイト抽出エージェントは、会議データを自社の営業指標を使用して構造化し、標準化エージェントは、一貫した予測を可能にするため、商談ステージを統一、リサーチ/チャットエージェント は、アカウントプラン作成に必要な資料を生成し、営業担当者が案件のステータス、会議の結果、次のステップなどを瞬時に照会できるようにしました。わずか1カ月以内に動作するプロトタイプを立ち上げ、複数の地域へと導入を拡大しました。
結果は革新的でした:
- 90% の営業担当者が、データドリブンな営業手法において品質の向上を報告
- 会話の80% が、CRMの営業機会に直接的に結びつく
- 営業担当者一人あたり月間約20時間を削減。年間では25万時間の削減に相当
パイプラインレビューはより客観的に、情報共有にかかる工数は削減されつつあります。予測の信頼性の増加も期待でき、営業担当者は、最も重要なこと、すなわち顧客に集中するための時間を確保し始めています。
今後の展望として、ソフトバンクは、Dataikuを使用してリスクを警告し、インサイトを表出させ、次の最善の行動を推奨する予測エージェントを構築し、AIエージェントモデルを全社へ拡張しようと構想しています。
お客様のより広範なデータエコシステムを活用したAIエージェントを構築し、ビジネスへの影響(インパクト)を最大化しましょう。構築されたエージェントは、ITチームによる完全な可視性と統制のもとで運用されます。単一のタスクに特化したエージェントから、複雑なマルチエージェントワークフローのオーケストレーションまで、コードあるいは完全にノーコードでエージェントを構築できます。
詳細はこちら
https://www.dataiku.com/ja/製品/key-capabilities/aiエージェント/