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オーケー株式会社:客数予測を起点に現場が使えるAI活用基盤を構築
欠品防止と過剰在庫を抑制し、アウトプットの説明性も向上

「高品質・Everyday Low Price」を掲げ、ディスカウントスーパーマーケットを展開するオーケー株式会社は、日々の発注精度向上に向けた欠品防止、過剰在庫の抑制という難しい経営課題に直面しています。その解決を目指してDataikuを導入し、客数予測を起点とするAIベースのデータ活用基盤の整備を進めています

180店舗

各店⻑へ日々の来店予測値を直接提供

乖離率5.23%

来店予測値と実績値の乖離率(誤差)は平均5%程度(2026年5月時点)

15分に短縮

従来3~8時間かかっていたETL作業を大幅に短縮

 

Excel/Access中心のデータ活用に限界が生じる

首都圏一都三県を中心に、180店舗以上のディスカウント・スーパーマーケットを展開するオーケー。同社では、特売日を設けず、毎日が低価格の「Everyday Low Price(EDLP)」戦略を徹底しています。さらに近年では関西にも進出し、さらなる多店舗化を進めています。

そんな同社の“強さ”の源泉は、商品一品単位で実践してきたきめ細かなデータ管理にあります。EDLP戦略を実現するには、欠品を避けつつ過剰在庫を抑えるという相反する条件を両立させなければなりません。日々の販売、発注、在庫業務を支えるデータ活用の仕組みは、その両立を成り立たせる、収益に直結した経営基盤となっているのです。

しかし、この取り組みも岐路に差し掛かっていました。20年近く前から稼働していた基幹システムは、多店舗化とともに増大するデータを処理しきれず、定型帳票の出力だけで数時間から丸一日を要するケースも珍しくなかったのです。

現場ではExcelやAccessを用いたデータ集計や分析が広く行われており、特定の担当者のスキルや経験に依存しがちな状態にありました。とくに商品単位のきめ細やかな実績データを抽出、加工したり、計算式を更新したりする作業は非常に負荷が高く、手作業を中心とした既存の手法には限界が見え始めていました。

そもそも、各店舗がさまざまな実績データを確認できるのは翌日以降であり、当日の打ち手や発注判断に十分に生かすことができず、よりタイムリーで精度の高い予測を支える基盤整備の必要性が高まっていました。

現場での使いやすさと予測結果の説明性を重視しDataikuを選定

そこでオーケーが求めたのが、AIと高い親和性をもったデータ分析と活用のためのソリューションです。

そして、複数の製品を比較検討した結果、Dataikuの導入を決定。ノーコードで扱いやすく、データ加工から分析、モデル構築までの流れを可視化できることが決め手となりました。

データサイエンティストのような専門人材が限られる中、現場主導のデータ活用を進めていくため、これは他社製品にはない大きな利点になります。そのうえで重視したのが、AIが導き出すアウトプットの説明性です。

需要予測をはじめ、現場が結果を見て判断する業務では、精度だけでなく「なぜその数値になったのか」を説明できることが不可欠です。そうした処理フローや要因の見えやすさという点でDataikuは卓越しており、PoCで終わらせず実運用につなげるための基盤として適していたのです。

客数予測を起点に各店舗の発注判断を支援

同社が最初のテーマとして選んだのは、「店舗ごとの客数予測」です。商品単位の予測は変動要因が多く、実務で通用する精度を出す難易度が高いため、発注判断の土台となるこの予測から着手し、現場で使えるモデルづくりを進めることを目指しました。

そして、この取り組みを二人三脚で進めていくパートナーとして、Dataiku社より紹介されたSiNCEを選定。2024年11月にプロジェクトがスタートしました。

まずオーケーが着手したのが客数予測です。過去の来店客数の傾向に加え、気温や降水量などの天候情報、店舗規模、季節要因、周辺地域のイベント情報などを組み込み、店舗運営の実態に即したモデルを構築。さらに、過去データだけでは捉えきれない要因を補うため、各店舗の店長へのヒアリングなど現場知見も反映しながら、精度を高めていきました。

加えて重視したのが予測結果の説明機能です。まずは、SHAP値などを用いて、どの要因が予測結果に大きく影響したのかを可視化。Dataikuで構築した予測モデルとその要因分析の結果をBIツール上で確認できるようにし、店長やマーチャンダイザー(商品の企画や販売計画などを立案するスタッフ)が背景まで理解したうえで判断できる環境を整えました。

こうして実現したのが、【図1】に示すアーキテクチャーです。一部店舗でのトライアルとフィードバック収集を重ね、「現場で納得して使える仕組み」へとブラッシュアップを図りつつ、全180店舗への展開を進めています。

プロジェクトでは、データ収集から客数予測モデルの構築、全体のフロー設計まで、難易度の高い取り組みをSiNCEが伴走で支援。モデルの精度向上だけでなく、どう運用に乗せ、どう現場へ届けるかまで見据えて設計したことが、現場で継続的に使われる基盤の土台となっています。

予測精度向上と共にETL作業時間を大幅短縮

Dataiku導入の成果はすでに多方面で表れています。まず客数予測について、既存店を中心に高い精度が得られています。

全180店舗を対象とした客数予測の誤差は、直近の平均値(2026年5月時点)で5.23%程度に収まっています。天候悪化時や突発的なイベント、過去データのない新店舗等ではなお課題が残るものの、全体としては実務で十分に活用可能なレベルに到達しています 山窪 智春 氏 株式会社SiNCE
取締役 / CDAO(Chief Data and Analytics Officer)

これにより、発注業務の標準化と工数削減が大きく前進しました。

今まで勘に頼って調整していた発注判断を、客観的なデータに基づいて行えるようになりました。経験の浅い若手の店長も増えてくる中で、この基盤は経営の安定化に大きく寄与します 織作 なつ実 氏 オーケー株式会社
IT本部 ITイノベーション部 データソリューショングループ チームリーダー

ただし、オーケーではこの予測結果を活用することを、決して現場に無理強いしているわけではありません。前述の説明機能とあわせ、予測結果を「使う/使わない」の判断は、あくまでも現場責任者である店長自身に委ねています。AIを活用しつつも、ヒューマンインザループのプロセスをしっかり確保していることが重要なポイントです。

 

さらにDataikuは、基幹システムなどからデータを収集・加工するETL(Extract、Transform、Load)部分の整備でも大きな効果をもたらしています。

私はまだ入社1年目で、本格的なプログラミング経験もほとんどない状態から開発を担当していたのですが、Dataikuのオンラインアカデミーで学習し、周りの皆様からサポートをいただくことで、無事に実装を進めることができました。結果として、従来は3時間~8時間かかっていたETL作業が、現在は15〜16分程度まで短縮されました 齊藤 由理 氏 オーケー株式会社
IT本部 ITイノベーション部 データソリューショングループ

Dataikuは、現場の意思決定を支える基盤としての価値を着実に高めています。その活用はデータ分析や予測にとどまらず、多様な部門の担当者が日々忙殺される業務にまで広げていけば、店舗運営のさらなる効率化につながる可能性があります。

AIの利用拡大でさらなる精度向上を目指す

引き続きオーケーでは、客数予測のさらなる精度向上に努めるとともに、発注システムとの連携自動化や売上予測の高度化を進めていく考えです。将来的には、サプライチェーン全体でのデータ活用への足掛かりとなる物流領域への展開も視野に入れています。一方で模索しているのは、生成AIやAIエージェントの利用拡大です。

今後はAIを活用し、オープンデータや地域で公開されているイベント情報などを、より効率的に自動収集できないかと構想しています。これを皮切りに、Dataikuが提唱する『AI民主化』の思想をより広い業務部門へ浸透させていくことを目指します 荒川 健児 氏 オーケー株式会社
IT本部 副本部長 兼 ITイノベーション部 部長

こうしたオーケーの挑戦を、SiNCEとしてもしっかり支えていく構えです。

データ収集から予測精度向上、運用時のエラー自動検知など、生成AIやAIエージェントの活用範囲は、今後さらに広がっていきます。Dataikuがオーケー様の店舗運営や経営の変革につながれば、私たちとしてもこれ以上の喜びはありません 一筆 将人 氏 株式会社SiNCE<br>代表取締役

小売業における店舗DXを着実に前進させるには何が必要か――。オーケーとSiNCEの取り組みは、その問いに対する一つの実践的な答えを示しています。

Rolls-Royce Aerospace:DataikuとDeloitteによる業務効率の向上

Rolls-Royceは、DataikuとDeloitteの協業により、Dataikuを活用してデータサイエンスの課題を解決。シチズンデータサイエンティストの力を引き出し、プロセスの自動化とリアルタイムなインサイトの提供を通じてイノベーションを推進しています。

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