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マレーシアメイバンク:顧客中心のバンキングの再定義

マレーシアメイバンクは、データのサイロを解消し、パーソナライズされた顧客体験を加速させ、業務効率と収益向上を実現しました。

1,150%

フィーチャーストアによって支援されるプロジェクトの増加

3倍

ターゲット顧客セグメントにおける製品の導入拡大

10倍

モデルの保守に必要な時間と労力の削減

 

競争の激しい金融サービス業界(英語)において、顧客を深く理解し、効果的に関与することは極めて重要です。東南アジア最大の金融サービスグループであるマレーシアメイバンク(英語)にとって、この目標を達成するには、いくつもの大きな課題を克服する必要がありました。

  • 分散した顧客データ
  • 部門間の連携の不一致
  • データワークフローにおける非効率性

変革の必要性を認識したマレーシアメイバンクは、顧客エンゲージメント戦略におけるイノベーション、スケーラビリティー、パーソナライゼーションを推進するためにDataikuを導入しました。

二重の課題:分散したデータと非効率なプロセス

マレーシアメイバンクは、2つの主要な課題に直面していました。まず、顧客データがサイロ化されており、顧客を包括的に把握する360度ビューの構築が困難でした。各チームは、データセットの探索や特徴量エンジニアリングの手作業に多くの時間を費やしていました。標準化されたデータリポジトリやドキュメントが存在しないため、部門ごとに作業が重複し、非効率を招いていたのです。

次に、パーソナライズされたレコメンデーションの提供に不可欠なゴートゥマーケットプロセスにおいては、複数部門が連携するためのツールが整備されておらず、対応に長い時間を要していました。

フィーチャーストアによるサイロの解消

これらの課題に対応するため、マレーシアメイバンクはDataikuを活用してフィーチャーストア(英語)を導入し、データへのアクセスと活用のあり方を刷新しました。フィーチャーストアは、各事業部門の顧客データを統合する中央リポジトリとして機能し、チームが顧客の360度ビューを構築できるようにしました。この仕組みはモジュール型で構成されており、あらかじめ構築され文書化された特徴量グループを活用することで、部門間の効率的な連携を可能にしました。

オートメーションの観点では、マレーシアメイバンクはDataikuのシナリオ(英語)機能を活用し、パイプラインの自動化、キャンペーントラッキングの実行、CSVファイルやダッシュボードの結果PDFの関係者へのメール送信を行うプロセスを構築しました。さらに、Dataikuアプリケーション(英語)を開発し、熟練度の高くないエンドユーザーでもリードの創出、市場規模の把握、ダッシュボードの作成ができるようにし、必要に応じてパラメーターの設定も行えるようにしました。

その効果は即座に現れ、かつ変革的でした。2024年1月時点では、フィーチャーストアは44件のプロジェクトを支援していましたが、年末には700件以上のプロジェクトを支える基盤へと成長しました。メイバンクは、特徴量の数も2,400件超から5,000件超へと拡大し、データの民主化に向けたスケーラブルな基盤を構築しました。各チームはワークフローを迅速に反復できるようになり、新しい特徴量を既存プロジェクトに最短1日で追加できるようになったことで、タイムトゥマーケットが短縮され、再利用とコラボレーションの文化が促進されました。

さらに、ETLパイプラインおよびワークフローの自動化により、ワークフローがゾーンごとに整理され、より見やすく、整理された形で可視化されるようになりました。その結果、エラーの削減とデータプロセスの可視性向上が実現しました。

Dataikuは、データを具体的なビジネス価値へと変換する能力を大幅に加速してくれました。このプラットフォームのコラボレーション機能により、データプロセスが効率化され、データドリブンなソリューションをこれまで以上に迅速かつ効果的に開発、展開できるようになりました。Dataikuは、当社のデータ戦略を支える重要な推進力です。 Simon TG Lim氏 マレーシアメイバンク グループ最高データ責任者

パーソナライゼーションのスケーリング

パーソナライゼーションは顧客中心のバンキングにおける中核であり、メイバンクはそのアプローチを刷新しました。複数の機械学習(ML)モデル、フィーチャーストア、パイプラインが、複数部門にまたがるモジュール化されたパーツとして構築されました。これらを組み合わせることで、ビジネス目標に対応したカスタムエンジンが作成され、ミックスアンドマッチやプラグアンドプレイの手法により、特定のキャンペーンやビジネスユースケースを支えるエンドツーエンドのデータパイプラインを迅速に構築できるようになりました。これは高度な機械学習とDataikuの自動化機能を活用した「Customer 360プレイブック」とも言えるものであり、キャンペーンのエンゲージメント率は10倍に向上しました。

主要なモジュールの1つに、Dataikuで構築されたNBO(Next Best Offer)モデル(英語)がありました。これは複数のプロダクトラインに対応可能な単一のモデルで、顧客の取引履歴、属性データ、エンゲージメント履歴を統合し、個々の顧客にとって最も関連性の高いオファーを予測するものでした。また、プラットフォームの説明可能性機能により、社内規定に沿った透明性とコンプライアンスの維持も実現しました。

その成果は目覚ましいものでした。

  • ターゲット顧客セグメントにおける製品導入が3倍に増加
  • 複数のサイロ化されたモデルを単一のスケーラブルなモデルに置き換えたことで、モデル保守に必要な時間と労力が10分の1に削減されました。

このNBOモデルにより、マレーシアメイバンクは、Dataikuのガバナンス機能を通じてコンプライアンスを確保しながら、動的かつハイパーパーソナライズされたレコメンデーションを提供できるようになりました。モデルが進化する中で、各部門が構築していた複数のNBOモデルの要素が1つに統合され、部門間の連携もさらに強化されました。

Dataikuの自動化機能と統合機能により、手作業によるデータ処理やキャンペーン実行にかかる時間を大幅に削減することができました。また、このモデルにより、パーソナライズされたオファーを効率的に拡大できるようになり、顧客エンゲージメントと満足度の向上につながりました。 Qamra Jema Khan氏 マレーシアメイバンク ハイパーパーソナライゼーションおよび高度分析 担当リードデータサイエンティスト

意思決定とコラボレーションの加速

ユニバーサルAIプラットフォームであるDataikuを活用し、マレーシアメイバンクはサイロを解消し、分析ツールへのアクセスを民主化することで、データファーストのカルチャーを構築しました。熟練のデータサイエンティストから非技術系のチームまで、あらゆるスキルレベルのデータ実務者がプロジェクトでシームレスに連携しました。Dataikuの自動化機能により、手作業の処理が削減され、チームは戦略やイノベーションに集中できるようになりました。

Dataikuで生成されたダッシュボードやレポートにより、透明性とリアルタイムでのキャンペーントラッキングが実現し、関係者が十分な情報に基づいた意思決定を行えるようになりました。Dataikuのモデルはフィードバックループを分析し、特定のキャンペーン文脈において最も重要な特徴量や顧客ペルソナを特定することを可能にしました。

セルフサービスアプリケーションにより、技術的な知識が少ないユーザーでも自らインサイトを導き出し、市場規模の把握を行えるようになり、組織全体の包摂性と俊敏性が高まりました。

これらすべてのDataikuの機能により、私たちはワークフローにモジュール性と柔軟性を持たせながら、コラボレーションを通じて構築できるようになりました。その結果、迅速に構築し、迅速に実験し、迅速に反復することが可能になりました。 Qamra Jema Khan氏 マレーシアメイバンク ハイパーパーソナライゼーションおよび高度分析 担当リードデータサイエンティスト

顧客中心型バンキングの新時代

メイバンクの変革は、具体的なビジネス価値をもたらしました。

  • 顧客エンゲージメントの強化により、年間で数百万リンギットの収益増加を実現しました。
  • 「一度構築して何度も再利用する」アプローチにより、時間とITリソースを節約でき、ワークフローは迅速なスケーラビリティを実現しました。
  • パーソナライズされたキャンペーンのゴートゥマーケットまでの期間が大幅に短縮され、メイバンクは競合他社に先んじることが可能になりました。
  • 部門横断のコラボレーションが活性化され、文化的な変革が促進されるとともに、組織全体にデータドリブンな意思決定が根付いていきました。
Dataikuはプラットフォームとして、マレーシアメイバンクにおけるデータアクセスとインサイトの民主化を推進し、チームの力を引き出す上で極めて重要な役割を果たしてきました。社内では、部門を超えた協働と人材のスキル向上が著しく進展しています。今後を見据える中で、Dataikuの堅牢なプラットフォームは、当社のデータ活用の取り組みを拡大するうえで不可欠な存在であり、増え続けるデータ資産からより大きな価値を引き出し、拡大し続けるデータユーザーコミュニティーを支援する原動力となっています。 Muhammad Haseeb Masud Qureshi氏 マレーシアメイバンク グループデータプラットフォームおよびアーキテクチャー部門責任者

マレーシアメイバンクのDataikuとの歩みは、最新の分析がビジネス成功を促進する可能性を強く示しています。中央集約型のデータ基盤とスケーラブルな機械学習モデルを組み合わせることで、同行は業務を最適化するだけでなく、顧客中心型バンキングにおける新たな基準を打ち立てました。今後もメイバンクはイノベーションを追求し続ける中で、Dataikuとのパートナーシップは、東南アジア全域における金融包摂を促進しながら、お客様に優れた価値を提供するという使命の中核を担い続けるでしょう。

 

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