変化の激しい電子信用取引の世界において、トレーダーやポートフォリオマネージャーは、戦略的な意思決定のためにデータを効率的に分析し解釈できる精度の高いツールを必要としています。
Trumidは、先進的な債券電子取引プラットフォームを設計したFinTech企業であり、機動的なテクノロジーと市場の専門知識を融合し、プロダクトデザインに重点を置くことで、信用取引の体験を最適化することを目指しています。
リアルタイム債券価格設定モデルの構築
混雑した金融市場の中で差別化を図ろうとしたTrumidは、信頼性が高く客観的なリアルタイム債券価格設定モデルを開発するという課題に直面していました。
このソリューションは顧客が次のことを実現するのに役立ちます。
- 膨大なデータを管理し処理しながら、予測が難しく複雑な市場の動きに対応する
- 取引がほとんどない、または全くない流動性の低い証券に対しても効果的に機能する
- 類似する証券と整合するよう価格設定を適切に調整し、幅広い市場指数や金利、クレジットスプレッドなどの要因を考慮する
正確な価格設定に加えて、このシステムは信頼度スコアや区間、ビッドオファースプレッドを含む包括的な補足データを提供する必要があります。これらの追加情報は、モデルに基づく自動取引に依拠するか手動で対応するかを顧客が判断するうえで大いに役立ちます。
中央ハブとしてのDataiku
Dataikuとの連携により、Trumidは市場の直接的な観測データや自社独自の市場データ、さらに公開データや提供されたデータセットを含む複数のデータソースをシームレスに統合し、完全に自動化され、偏りのない正確な双方向市場を構築しました。Trumidは、Dataikuの高度な特徴量エンジニアリング機能を活用してこれらのデータを処理し、機械学習（ML）モデルの入力データへと変換しました。
Dataikuの強力な機械学習機能群も活用され、この特徴量エンジニアリング済みデータでモデルを継続的にトレーニングし、仮説を検証し、実運用でのパフォーマンスに基づいて最も優れたモデルを選択しました。さらにTrumidは、Dataikuのモデルデプロイメント機能を使用し、最も効果的なモデルを迅速に研究段階から本番環境へ移行させました。
その結果として、開発やデータに関する課題を克服する包括的なソリューションである、Trumid独自のFair Value Model Price（FVMP™）が誕生しました。
Dataikuを導入して以降、Trumidは生産性の向上を実感しています。Dataikuの統合とTrumid FVMP™のデプロイメントにより、リアルタイムで予測的な債券価格設定情報を提供しつつ、手動でのモデルQAにかかる時間を削減するという、本来の目的を果たすことができたためです。
最終的に、Trumidは自社の機械学習モデルの信頼性が大幅に向上し、全体的な顧客での採用率と業務効率が改善されたことを確認しました。
AIと機械学習投資の大きな価値
Dataikuを通じたTrumid FVMP™のデプロイメントは、Trumidの自動化されたRFQ取引ソリューションであるTrumid AutoPilot™に大きな価値をもたらしました。効率的な取引執行を実現するために設計されたこの新しい製品は、顧客が設定した事前定義パラメータを用いて、プラットフォームが顧客に代わってRFQ取引をシームレスに実行できるようにします。この新しいワークフローを利用しているTrumidの顧客はすでに価値を実感しており、2024年第4四半期には対象となるTrumidのRFQライン項目の81％が「ノータッチ」で執行されました。
将来を見据えた革新は、データの商用化に向けた新たな機会ももたらしました。Trumidのリアルタイム価格設定フィードは、顧客にとって大きな価値を提供します。データがリアルタイムであるため、競争の激しい市場において、利益と損失を分ける要因となり得るタイムリーな情報を顧客に提供できています。
Trumidの顧客は、FVMPがもたらす透明性の高さを享受しています。30秒ごとの定期的な更新は、5分ごとに更新されていた従来モデルと比べて10倍の大幅な向上であり、ユーザーは現在、リアルタイムの債券価格にアクセスでき、市場の状況に即した判断が可能になっています。
これらの進歩の影響はTrumidのビジネスの未来にまで及んでおり、同社は今後さらに高度なAIベースの取引ツールや製品の開発を模索しています。
全体として、Dataikuのプラットフォームは、Trumidが機械学習モデルの作成プロセスを効率的に進めるために必要な柔軟性を提供し、業務の俊敏性を高めています。
組織内の多くのメンバーが機械学習やAIソリューションの活用に慣れるにつれ、同時に多数のモデルを研究できるようになりました。Dataikuにより、幅広い機械学習モデル研究のユースケースにおいて、多数のデータソースを管理できるようになっています。
最後に、TrumidはDataikuのガバナンス機能が、すべての機械学習業務において透明性を提供することでリスク軽減に役立つことを確認しました。Trumidはモデルのパフォーマンスや進化を追跡でき、異常を早期に特定し、機械学習業務全体の精度と信頼性を時間の経過とともに向上させることができます。
出典：Trumid社内データ
Trumidについて
Trumidは、米ドル建ての投資適格債、高利回り債、デフォルト債、そして新興国市場の債券に特化したフィンテック企業であり、固定金利証券の電子取引プラットフォームです。Trumidは、機動的なテクノロジーと市場の専門知識を融合し、プロダクトデザインに重点を置くことで、信用取引の体験を最適化しています。その結果、直感的に利用できる単一のプラットフォーム上で、差別化されたプロトコルと取引ソリューションのエコシステムを提供しています。詳しくは www.trumid.com をご覧ください。
