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Rolls-Royce Aerospace:DataikuとDeloitteによる業務効率の向上

Rolls-Royceは、Deloitteとの連携のもと、Dataikuを活用してデータサイエンスの課題を解決し、シチズンデータサイエンティストの活躍を促進するとともに、プロセスの自動化とリアルタイムなインサイトの提供によりイノベーションを推進しています。

数分

PCB Line Optimizerを使用した処理時間は、Dataiku導入前の数週間に及ぶ処理と比べて大幅に短縮されました

 

航空推進分野における広く認知されたリーダー企業であるRolls-Royceは、保有する膨大なデータ資産を最大限に活用し、ビジネス全体にわたる価値創出を目指していました。その第一歩として、Rolls-RoyceはDeloitteと提携し、データサイエンスチームが直面していた3つの重要課題の解決に取り組みました。

  • 増え続けるデータサイエンス関連の依頼に対応する
  • シチズンデータサイエンスの推進を可能にする
  • 既存のデータ分析およびデータサイエンスの能力を強化する

断片化されたデータパイプラインや手動プロセスといった要因により、Rolls-Royceのチームは実用的なインサイトを抽出することが困難であり、その結果、エンジニアリングおよびメンテナンス業務の最適化にも支障が生じていました。こうした課題に対応し、データドリブンな変革を進めるために、取り組むべき2つの重要領域が明らかになりました。

  • プリント基板(PCB)製造ラインの最適化:従来のプロセスは煩雑で、手作業で整理されたデータや連携されていない計算に依存していたため、効率を妨げるボトルネックやエラーのリスクを引き起こしていました。
  • Sカーブ累積分析:エンジンの主要な運用指標を抽出、可視化するには、複数のプラットフォームやスプレッドシートを横断する煩雑な作業が必要であり、タイムリーかつ実用的なインサイトの取得が困難でした。

PCB Line Optimizerの実現

Rolls-Royceは、ロボットによるPCB(プリント基板)製造ラインを支えるトロリー最適化プロセスを革新するために、Dataikuを用いて「PCB Line Optimizer」と呼ばれる革新的なアプリケーションを構築しました。このアプリケーションは、直感的でローコード/ノーコードなインターフェースを備えており、手作業によるデータ整理を自動化されたワークフローに置き換えることで、はるかに少ない労力で業務を実行できるだけでなく、技術レベルを問わず多様なユーザーがこうしたツールを活用できるようにしています。

Dataikuにより手作業によるデータ整理が自動化されたワークフローに置き換えられ、エラーが排除され、処理時間も数時間から数分へと大幅に短縮されました。 Andrew Symeou氏 Deloitte Dataikuアライアンスマネージャー

Sカーブ分析によるインサイト獲得までの時間の加速

従来のワークフロー(設定、SQLによるデータ抽出、計算、可視化)をすべてDataikuに統合することで、数時間に及ぶ準備分析を効率化し、複数ツール間を行き来する必要をなくすことができました。これにより、累積分析がよりシンプルになり、エラーが減少し、インサイト獲得までの時間も短縮されました。

Dataikuによる効果

これら2つのプロジェクトを通じて、Rolls-Royceはより的確なデータドリブンな意思決定を実現し、業務の俊敏性も向上させました。Dataiku上にデータワークフローを統合することで、プロセスの効率化による効果を享受し、手作業への依存も削減しています。Dataikuの効果は、次のように組織全体に波及しています。

  1. データ人材の活用促進:Dataikuのユーザーフレンドリーなインターフェースにより、さまざまなスキルレベルのメンバーが在籍するRolls-Royceのチームでも、パラメータの設定、高度なモデルの構築、インサイトの生成が可能となりました。その結果、組織に価値をもたらすより大きな取り組みに注力するための時間を確保できるようになっています。
  2. インサイトの迅速化静的なスプレッドシートをDataiku上のインタラクティブなダッシュボードに置き換えたことで(英語)、主要業績評価指標(KPI)をリアルタイムかつ明確に把握できるようになったと述べています。この可視性の向上により、より迅速かつ的確な意思決定を組織として実現できるようになりました。
  3. コラボレーションの強化:Rolls-Royceのデータサイエンスチーム、製造チーム、そしてDeloitteは、Dataikuを通じてプロジェクト、インサイト、ベストプラクティスをシームレスに共有することができました。チーム間の連携により成果は飛躍的に高まり、各チームのすべてのメンバーがより迅速かつ効率的に業務を遂行できるようになりました。

Rolls-Royceは、Dataikuの直感的なプラットフォームによりデータサイエンスチームの力を引き出し、既存のリソースをより活用することで大きな改善を実現しました。

今回の取り組みの素晴らしさは、プロセスを大幅に簡素化できた点にあります。作業時間は約8週間から数分へと劇的に短縮されました。これにより、私自身の業務が大幅に楽になるだけでなく、誰にとっても使いやすいアプリとなっています。 Mark Bass氏 Rolls-Royce エレクトロニクス部門 MEコミュニティリード

航空分野とその先に広がるイノベーションの未来

DeloitteおよびDataikuとの密接なパートナーシップのもと、Rolls-Royceは複雑な製造および分析上の課題を、イノベーションと効率化の機会へと転換し、データ活用体制を強化してきました。既存のワークフローの最適化と刷新、自動化の導入により、堅実なデータサイエンスの実践基盤を築いただけでなく、非技術系メンバーがシチズンデータサイエンティストとして活躍する道も開かれました。これらの進展は、データドリブンな意思決定を通じて技術革新をリードするというRolls-Royceの姿勢を明確に示すものです。

Everyday AI Londonのセッションにおいて、Rolls-RoyceのエクスペリエンスデザインリードであるTarnjit Kaur Tiyur氏と、ソリューションSMEであるRichard Douglas氏が、DataikuがどのようにしてRolls-Royceのデータサイエンスと分析業務に革新をもたらしたかを共有しました。

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