グローバルな総合電機メーカーである三菱電機は、データをもとに新たな価値を創出する「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」への変革を進めています。このビジョンを実現するため、同社は全社的なプロジェクトとして「DXイノベーションセンター(DIC)」を設立し、テクノロジー、共創、人財、プロジェクト推進のためのデジタル基盤「Serendie®(セレンディ)」を構築しました。
これまでのデータ分析では次のような課題がありました。分析環境は断片化してスピード感に欠け、チーム間での大規模な展開は困難な状況でした。手作業中心のワークフローやツールの乱立、そしてナレッジ共有の不足が意思決定の足かせとなり、企業全体でデータ分析や生成AIを十分に活用しきれずにいました。
また、Serendieのデータ分析基盤では、データ専門家と非専門家の双方をサポートしつつ、データプールとなるSnowflakeなどと直接連携できるデータ分析環境を必要としていました。
そこで同社が選んだのが、データ準備、モデリング、可視化、アプリ構築などが可能な、Universal AI Platform™ Dataikuでした。
Dataikuによる成果
現在、DataikuはSnowflakeと並び、Serendieのデータ分析基盤をを支える主要なコンポーネントとなっています。これにより、三菱電機はビジネスにおけるデータ分析の活用を拡大することに成功しました。
デリバリーの合理化と価値提供の高速化
データ取り込み、準備、モデリング、可視化、そしてレポート作成を一つの統合プラットフォームに集約することで、三菱電機は工数を劇的に削減し、スピードを向上させました。
- 60%削減: データ準備からレポート作成までのワークロードを削減
- 80%削減: Python利用時に比べ、データの可視化にかかる時間を削減
- 40%削減: システムドキュメント(機能仕様書、システム設計書など)の作成時間を削減
部門横断的なチームが共有されたDataikuのフロー内で直接コラボレーションできるようになり、エンジニアやアナリストが得た知見を、プロジェクト内で迅速に共有すけることが可能になりました。
専門家を超えたスキルの拡大
Dataikuのビジュアルでコードフリーなワークフローにより、現場の専門家もデータ分析のプロセスに参加することが可能になりました。市民データサイエンティストがデータ分析を業務に活用し、自ら情報に基づいた意思決定を行えるように変化してきています。また、閲覧者ライセンスやDataikuアプリケーションの活用により、アナリストはデータからの洞察を素早く伝達できるようになり、社内での連携が強化されました。
わずか2週間で鉄道運営に関する画期的な知見を獲得
三菱電機はDataikuを活用し、電力使用量、列車運行データ、回生エネルギーを分析し、脱炭素化に向けた以下の成果を上げました。
- ブレーキ時に発生する回生エネルギーの余剰電力の可視化
- 余剰電力の活用ソリューションの提案
わずか2週間で提供されたこれらの知見は業界の注目に値するもので、新たなビジネスチャンスや実用的な運用の改善への道を開きました。
熱エネルギー解析を「20日間」の短期間で実施
三菱電機は複数のビルなどにまたがる冷暖房システムのエネルギー需要管理の最適化に取り組みました。Dataikuの活用により、以下のことが可能になりました。
- 専門家、アナリスト、クライアントが単一の共有ワークスペースでコラボレーション
- 包括的な可視化とAutoMLの適用
- 1年分のデータ分析から報告書作成まで、わずか20日間で完了
Dataikuのフローがあらゆるステップを記録するため、一貫したドキュメント作成と迅速な試行錯誤(イテレーション)が可能になりました。
生成AI:故障対応のためのRAG
DICはDataikuの生成AI機能を使用し、故障対応履歴を活用した検索拡張生成(RAG)システムを構築しました。
このシステムは、テキストベースの故障対応記録、PDFの対応マニュアル、交換部品情報、過去の故障履歴などを取り込み、対応策の提案や故障予測、マルチステップのチャットボット対応を実現しています。
Dataikuが選ばれた理由
三菱電機がDataikuを選定したのは、データ専門家チームと非専門家チームの双方をサポートしながら、データ準備からアプリ構築まで実施できるためです。成功を支えた主な機能は以下の通りです。
ビジョンと今後の展望
三菱電機はSerendieの取組みを拡大させる中で、Dataikuは各事業部門でアナリティクスとAI活用をスケールさせる環境を提供します。この取組みにより、分析能力の深化や生成AI活用の取り組みを加速させ、2030年度にSerendie関連事業で売上高1.1兆円を目指しています。