Dataiku 導入後最初の 9 ヵ月間で、彼のチームは FP&A に関連するユースケースを数多く生み出しました。Dataiku は高い柔軟性を持っているため、さまざまな作業を自由に行うことができましたが、その自由さゆえに、次のステップでは、実際の業務に組み込むための体系化されたアプローチを用意する必要がありました。例えば、データパイプラインがルールに則ったものになるようにし、SLA を設定し、より厳格な DataOps プロセスを用意する必要ありました。Craig 氏は、Dataiku はその点でも威力を発揮し、これこそが他のプラットフォームにはない特長だと述べています。非常に高い自由度を備えつつ、構造化やプロセスの策定を容易に進める機能も用意されているのです。
Dataiku を導入して 1 年が経った 2021 年現在、Craig 氏とそのチームは、Dataiku を使用して同行における 3 つの主要なシステムを稼働させ、銀行のすべての財務状況を示すTableau ダッシュボードを毎日更新しています。かつてはこのような作業をすべてスプレッドシートで行っていたため、非常に手間がかかっていました。また、組織全体で利用できるデータマーケットプレイスを開発しました。データマーケットプレイスのデータを他のデータと組み合わせることで、データからさまざまな疑問への答えを導き出すことができます。例えば、データマーケットプレイスの貸借対照表にリースデータを組み合わせて分析し、資産のコストを把握できます。
Craig 氏は現在、データの民主化(セルフサービス型分析)の仕組みを独自に開発しています。各個人が自由勝手にデータを処理し、好きなように利用するのではなく、銀行全体のインテリジェンスを構造化された形で所有するセンターオブエクセレンス(CoE)を目指します。それぞれにプロダクトオーナーが存在するあらゆるデータセットからなる均質なプールをベースとした、ガバナンスの定義されたエンタープライズレベルのデータで、そのデータを組織全体で活用できるようにします。このデータを基盤に、中核となるアプリを通してデータに基づき答えを導き出せるようなエクスペリエンスを構築し、組織全体のスタッフがそれらのアプリを柔軟に使用してビジネスで発生する日々の課題を解決できるセルフサービス環境を目指しています。
“セルフサービスの自由度が高すぎても、求める答えを得ることができません。飛行機に乗るのに、荷物の予約と座席の予約を別々のアプリで行うと考えてください。自由度は高まるでしょうが、手間ばかりかかります。かつてはデータの民主化を実現できていたものの、さまざまなアプリが乱立していました。3 年の間に500 もの異なるアプリを構築した部門さえありました。どのアプリを使えばビジネス上の疑問に答えられるか、手掛かりさえない状態でした。そのため、誰もデータを活用できていませんでした。今では Dataiku を通し中核となるデータセットを利用でき、セキュリティーも万全です。手当たり次第にアプリを作成することをやめ、中核となる一連のアプリを用意することで、真の柔軟性を実現し、さまざまな疑問に答え、問題を解決できるようになりました”