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John Lewis Partnership:DeloitteとDataikuと共にMLOpsを大規模に実現

DataikuとDeloitteはJLPのAIのあり方を一新し、AIの取り組みを本番稼働化し、プロセスを効率化することで、多大な財務的メリットを創出することを可能にしました。

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AIモデルが本番稼働化に成功

1-2週間

モデルの反復にかかる期間:Dataiku導入前は10~12週間

5週間

モデルを本番環境にデプロイするまでの期間:Dataiku導入前は数か月

 

John Lewis Partnership(JLP)は、機械学習(ML)およびAIモデルを本番稼働化する過程で、いくつもの課題に直面していました。20名を超える優秀なデータサイエンティストを擁していたにもかかわらず、AIモデルは実験段階にとどまり、本番稼働させることができなかったのです。この状況により、JLPはAIの取り組みを拡大することができず、財務的な成果の実現や投資対効果(英語)の最大化が妨げられていました。

DeloitteおよびDataikuとの連携

主な課題は、データアナリティクスチーム内にMLOpsの機能が備わっていなかったことでした。本番稼働レベルのモデルをデプロイするためのツール、ベストプラクティス、ガバナンスフレームワークが確立されておらず、MLOpsをJLPの既存の運用モデルに統合することもまた困難でした。

JLPは、AIの本番稼働化に関する課題に取り組むため、Deloitteと提携し、基盤となるプラットフォームとしてDataikuを活用しました。Deloitteは、これらの課題を解決し、JLPのAIモデルを開発環境から本番稼働環境へ移行させるには、高度なエンジニアリングスキルが不可欠であると考えました。両社は協力して、堅牢なMLOps基盤の構築、モデルのデプロイ加速、JLPの長期的成功を支える体制づくりに注力した、包括的なソリューションを導入しました。

  • MLOpsの基盤構築:Deloitteは成熟度アセスメントを実施し、JLP向けに堅牢なモデル提供プロセスとガバナンスフレームワークを含む、カスタマイズされたMLOps運用モデルを策定しました。これにより、Dataiku上でAIライフサイクル全体を体系的かつスケーラブルに管理するためのアプローチが実現されました。
  • デプロイの加速:JLPとDeloitteは、Dataikuを活用して12の本番稼働レベルのAIモデルの運用を開始しました。Dataikuのモデルのデプロイ、モニタリング、管理機能に加え、あらかじめ用意されたAIモデル提供テンプレートを活用することで、JLPのモデルにおける価値実現までの時間が大幅に短縮されました。
  • 将来に向けた能力強化:Deloitteは、JLPのデータサイエンティストに対して、MLOpsの原則やDataikuのベストプラクティスに関するスキル向上プログラムを提供しました。さらに、サービスサポートおよび運用Runbookにより、モデルの保守や運用が円滑に行える体制が整いました。

日々の業務への影響

DataikuとDeloitteによるソリューションの実装により、JLPのAI戦略と日々の業務は一変しました。以前はモデルを本番稼働させるまでに数か月を要していましたが、現在では平均5週間で実現できるようになっています。さらに、モデルの反復期間も10~12週間からわずか1~2週間に短縮され、市場の変化に対してより迅速に対応できる体制が整いました。

このソリューションにより、AIモデルから最大限の価値を引き出すために多分野のチームがシームレスに連携する、より協調的な環境が促進されました。標準化されたプロセス、強固なガバナンス、明確な運用フレームワークが、これまでの非体系的なアプローチに取って代わりました。なかでも重要なのは、JLPのデータサイエンスチームがモデルを自社で構築、保守できる能力を獲得し、AIの取り組みを長期的に持続可能なものとする体制を確立したことです。

創出された価値

DeloitteがJLPと連携して行った取り組みにより、数千万ドル規模の財務的利益がもたらされ、同社の収益に直接的なインパクトを与えました。本番稼働化されたAIモデルは、オンラインチェックアウト、製品の在庫予測、販促計画といった主要な業務分野を改善し、売上の拡大とコスト削減を実現しました。また、AIを活用したソリューションは、ベーカリーの運用や返品プロセスを最適化し、廃棄削減と効率向上によって大幅なコスト削減を達成しました。さらに、労働スケジューリングや配送時間枠の可用性が向上し、顧客満足度のさらなる向上にもつながりました。

Dataikuはこの取り組みの成功において極めて重要な役割を果たしました。とくに、JLPのデータサイエンティストに力を与え、強固なガバナンス体制を構築するうえで大きな貢献をしました。Universal AI Platformの直感的なビジュアルインターフェースと事前構築されたコンポーネントのライブラリーにより、データサイエンティストはインフラ管理に煩わされることなく、アルゴリズムの精緻化に集中することができました。この使いやすさにより、実験のスピードが向上し、価値実現までの時間が短縮されました。

さらに、Dataikuのガバナンス機能(モデルのドキュメント作成、バージョン管理、説明可能性ツールなど)は、AIによる意思決定におけるコンプライアンス、透明性、信頼性を確保しました。これにより、技術的な複雑さが軽減されると同時に、責任あるAI運用のために必要な監督体制が整備され、JLPは自信を持ってイノベーションを進め、より迅速にビジネス価値を創出できるようになりました。